労働条件通知書って作った方が良いですか?

事業主は、労働契約の締結時に、労働者に対して、賃金、労働時間その他の労働条件を明示する義務があり、そのうちの一定の事項については書面で交付しなければならないことになっています。

今まで作成していなかった!
どのように作成すれば良いかわからない!
作成しているけど正しい内容になっているか不安!

今回は、そのような方にお伝えしたいと思います。

労働条件通知書とは

労働条件通知書とは、従業員を採用する場合に、労働条件の明示義務にもとづいて事業主が作成し従業員へ交付する労働条件を記載した書類のことです。

様式に決まりはなく記載しなければならない項目を満たしていれば、任意の形で作成することができます。

厚生労働省がモデル様式を公開しているので、参考にしてみると良いかもしれません。

厚生労働省 主要様式ダウンロードコーナー(労働基準法等関係主要様式)
労働条件通知書【一般労働者用】常用、有期雇用型
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001084080.pdf

労働条件の明示義務事項

必ず明示しなければならない事項

  1. 労働契約の期間
  2. 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準
  3. 就業の場所・従事すべき業務
  4. 始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働(早出・残業等)の有無、休憩時間、休日、休暇、労働者を2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
  5. 賃金の決定、計算・支払の方法、賃金の締切り・支払の時期
  6. 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
  7. 昇給に関する事項

※1.~6.は書面の交付などで明示(口頭だけではNG)

定めをした場合に明示しなければならない事項

  1. 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払の方法及び支払い時期
  2. 臨時に支払われる賃金、賞与等及び最低賃金額に関する事項
  3. 労働者に負担させる食費、作業用品などに関する事項
  4. 安全・衛生
  5. 職業訓練
  6. 災害補償、業務外の傷病扶助
  7. 表彰、制裁
  8. 休職

労働条件通知書の記載内容

それでは、労働条件通知書に具体的に何を記載すれば良いのかみてみましょう。

【必須】▶必ず記載しなければならないもの。
〖推奨〗▶トラブル防止のため記載することをお勧めするもの。

契約期間

  • 期間の定めの有無【必須】
  • (有期雇用の場合)契約期間【必須】
  • (有期雇用の場合)契約を更新する場合の基準に関する事項【必須】

就業場所

  • 雇入れ直後の就業場所【必須】
  • 将来の就業場所(転勤の可能性やその場所について)〖推奨〗

業務内容

  • 雇入れ直後の業務内容【必須】
  • 将来の業務内容(配置転換の可能性やその内容について)〖推奨〗

労働時間

  • 始業時刻、終業時刻【必須】
  • 所定労働時間を超える労働の有無【必須】
  • 休憩時間【必須】
  • 休日【必須】
  • 休暇【必須】

賃金

  • 基本給などの金額【必須】
  • 手当などの金額【必須】
  • 割増賃金率【必須】
  • 締め日、支払日【必須】
  • 支払方法【必須】
  • 労使協定に基づく賃金支払時の控除〖推奨〗
  • 昇給の有無〖推奨〗【パート・有期雇用の場合は必須】
  • 退職金の有無〖推奨〗【パート・有期雇用の場合は必須】
  • 賞与の有無〖推奨〗【パート・有期雇用の場合は必須】

退職に関する事項

  • 定年制の有無【必須】
  • 継続雇用制度の有無【必須】
  • 自己都合退職の手続方法【必須】
  • 解雇事由および手続方法【必須】

その他

  • 社会保険加入状況〖推奨〗
  • 雇用保険適用有無〖推奨〗
  • 雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口【パート・有期雇用の場合は必須】

上記のほか、安全衛生、懲戒、休職等、企業内で制度として設けている場合には、口頭または書面交付の方法で明示しなければなりません。
企業によっては記載する労働条件が多岐にわたり、これらを一つの書面で網羅することが難しい場合もあります。
そのようなときは、就業規則を作成している企業においては、各事項について、就業規則を示し適用する部分を明確にした上で、就業規則を交付することで明示を行うことも方法のひとつでしょう。

Q&A

Q.正社員にだけ労働条件通知書を渡しています。問題がありますか?

A.正社員だけでなく、アルバイトやパートタイマー、労働者として働くすべての人に労働条件を明示する必要があります。

Q.労働条件通知書は紙に印刷したものでなければいけませんか?

A.交付の方法については、書面による交付のほか、労働者が希望する場合には、ファクシミリを利用してする送信の方法、電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信の送信の方法(出力して書面を作成できるものに限る)によっても明示することができることになっています。

書面交付以外の明示方法を詳しく知りたい方はこちら

Q.労働条件通知書を交付しなかった場合どうなりますか?

A.使用者の労働条件の明示義務違反については罰則(30万円以下の罰金)があります。
また、明示された労働条件が事実と相違する場合は、従業員は、即時に労働契約を解除することができるとされています。

おわりに

労働条件通知書は、これからはじまる雇用契約の内容を事業主と従業員がお互いに確認するための書類です。お互いの認識に相違が生じないように、この時点でよく確認することがのちのトラブル防止に役立ちます。

ひとたびトラブルに陥るとその解決のために事業主にかかる負担は小さくありません。
良好な関係を築き、同じ方向を向いて歩んでいく第一歩として、労働条件通知書は不可欠です。
労働条件通知書の作成で困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。

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